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ホームブログ変わったものを作りました - Magical Furniture
2023.03.25

変わったものを作りました


年度末の3月は特に時間の流れが早く感じる、製作以外にも確定申告という自営業の義務もある。

今月は変わったものを作りました。
うちは家具屋の中でも変わったものをよく作る方ですが、今回は家具の仕事をしていて初めての案件でした。
ミッション系の学校の講堂で電子パイプオルガンとつなぐ大きなスピーカーを入れる台です。
話を頂いた時は、音のことは専門外で怖いので一度断ったんですが、「こんなものを作ってくれるのはマジカルさんだけだ」とお願いされました。
確かにそうだよね、他の木工所では断るのが無難な案件です。
「音の保証はできないけど、それでもよければ」と引き受けました。

引き受けたはいいけど、どうやって作ろうかと考える時間が長かった。
重さがひとつ30kgあるスピーカーが2つ入る、それに外装の木製パネルも合わせるとなかなかの重量です。
木だけでは重量に耐えれて、かつ、何十年と使い続けるものを作るのは難しいと思い、鉄でフレームを作りました。
角度も微妙で、スピーカーの納まりも苦慮しました。
木は支給品で、学校の構内の木を伐採した時に製材して保管していたそうです。
支給材ということで警戒していましたが、材木屋で買うのと同等の品質のいい木材で、その点はホッとしました。
たまに材料支給で作ることがありますが、石が噛んでいたり、乾燥状態が甘かったりして正直とほほなことになることが多いです。
もったいない、だけでない木を製品化する努力を感じれるいい材料でした。

と、初めてのことだらけで難儀しましたが、図面ができてからは図面を信じて作るだけで、ここまでくればそこまで難しい作業ではありませんでした。
完成して、大阪まで運んで納品完了。
実際にオルガンとつないでみて音出しをしました。
心配していた共振や太鼓効果での異音もなく無事に引渡しとなりました。

初めてのことはわからないことだらけで考える時間が長いし、責任取れないことも多いので断ることもあります。
一度断られても粘ったら作る、かもしれません。
しらんけど、
と言っておきます。