始まるきっかけ
2年前の2019年2月、東京で開催されている合同展示会『ててて見本市』に出展していました。
合同展示会というのは商品を作っている人や会社が、自分たちの商品を小売店のバイヤーの方々に見てもらおうという場です。
集まって合同でやったほうが出る側も見る側も効率がいいし、その展示会の色に合ったバイヤーが来るので相性も近いわけです。
そこで気に入ってもらって、お店に並べてもらって初めて自分たちの商品がお客さんに見てもらえます。
直営店での販売を除いて、なんらかの商品を作っている人が当たり前に通過する『自分たちの商品を売る』術の王道の方法が合同展示会に出ることです。
でも、うちのような1人〜2人でやっている超小規模家具屋にとってはハードルが高いことでもあります。
価格のこと、手間のこと、資金のこと、などなどを考えると難しい判断です、どっちがいいとも言えない。
でも僕は出しました。
最初の展示会で3日間会場に立って接客をしていたのですが、足を止めてくれる人は少ない、周りの出展者さんと比べても圧倒的に少ない。
うすうす気づいていましたが、この手の展示会と家具は相性が良くない、ミスマッチ感がすごい。
これまで僕自身もバイヤーとしてててて見本市もそれ以外の展示会も見てきましたが、家具は難しいだろうなと思っていました。
他の出展者の商品は価格がせいぜい6千円くらいまでがメインだし、手に取れる大きさで持って帰ってもらいやすい、ECで売るのも送料とか在庫とかのことを考慮しても家具は大きいので分が悪い。
そんな隣の芝が青く見える3日間を「まいった、滑ってるなぁ」と思いながら過ごしました。
その3日間で数少ない名刺交換をして、唯一取り扱ってくれることになったお店とは今もいい関係なので成果はあったのが救いですけどね。
それに懲りずに半年後に同じ展示会に2回目の出展をしました。
相変わらず少し浮いているな、と感じてはいましたが、1回目の出展より随分と手応えがありました。
嬉しい取引先も増えたし、家具屋として知ってもらえたので什器の製作の相談をもらえたり。
コロナでしんどかった昨年はこの時のご縁に随分と助けられました。
そして2年後、その時に展示をしていたスツールを21脚注文をいただいたのが2ヶ月前。
すぐに結果を求めがちだし、1回ダメだと諦めてしまうことも多いですが、諦めなかったことが結果を出すこともあるんだなと思います。
少年漫画的ですが、、。
まずは知ってもらうこと、そこからしか始まるきっかけはないように思います。
この21脚のスツールは山梨県に送ります。
一歩踏み込んで展示会に出していなかったら僕の家具は神戸から出ることはなかったでしょう。
また展示会に出したくなってきました、来年かな。