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ホームブログ「狙ってポテンヒットを打つ」
2020.12.16

「狙ってポテンヒットを打つ」


少し前のことですが、フィガロという雑誌の1月号にマジカルファニチャーの飾り棚『 Angle 70 Shelf 』を載せていただきました。
薄い真鍮の板を70度の角度でハの字で曲げて、その上にオークの丸い板が乗っているものです。
好きな小物を飾る、ベッドサイドでランプを灯す、そんな少しの好きなものがある小さな場所になればと思ってデザインしたものです。
掲載してくれている写真のようなスタイリングは、まさに思い描いていた光景で、デザインの意図が伝わった気がして嬉しかったです。

うちのように地方で家具を作っていると、ローカル誌以外の全国の本屋さんで並ぶような雑誌に載るということはなかなかないことです。
自分の拠点で生産して、近くの人に知ってもらって、消費される。
それでいいと思っていますが、やっぱり雑誌に載ることは嬉しい。
目の肥えた方に評価してもらえたように感じていますし、励みになります。

最近、深澤直人さんの『ふつう』という本を読みました。
乱暴にまとめてしまうと、「パッと見て普通だなと思う、生活に溶け込む主張のないデザインが美しい」という内容でした。
共感することも多く、さすが深澤さんだなと思い読んでいましたが、同時に僕なんかとは見ている高さが違うなと思いました。
一流の目線というか、そこに到達した人にしか至らない境地のようなというか、、、。
イチローが言う「ボールが止まって見えた」に近いというか、、、。
で、そんな人たちに僕が一矢報いることができるとしたら「狙ってポテンヒットを打つ」かなと思っています。
マジカルファニチャーの飾り棚をデザインするときはこのポテンヒット狙いを意識しています。
洗練して研ぎ澄ませたものを作るのではなくて、アイデアがなんとなく固まったら見切り発車で作ってしまう。
そのアイデアってのも材料を無意識に置いた時にできたシルエットだったりして、偶然なものが多いです。
このポテンヒットの意識はある意味で逃げていますし、後輩におすすめできるものでもないですが、掴みかけている自分のスタイルなようにも思えています。

寒くなりましたね、体調に気をつけて師走を乗り切りましょう。