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2019.08.23

たまにカンナで木を削ると楽しい。


珍しく木工の話を少し、、。

いま製作中の特注の低い座椅子、その脚先は畳ずりのような形をしていて、床との接地面積を増やしつつ移動させやすいように削り出しました。
久しぶりにカンナでシュッシュッと木を削ったわけです。
彫刻ではよく「プラスする人」「マイナスする人」のような言い方をします。
一概には言えませんが、セラミックや鉄の造形作家は要素をプラスしながら作品を作り、木彫や石工は大きな塊からマイナスしながら作品を作ります。
家具はマイナスの方です。
結局のところ木工はいかに木を削るか、という世界です。
そこでノコギリやカンナのような大工道具が日本では発達してきたのですが、いまではそれらの道具の出番は少なくなりました。
それは家具の世界でも、大工の世界でも同じです。
電動工具や木工機械、プレカット工法やCNCなどの最新の技術の恩恵を受けて現場では手道具で加工すること自体が減ったのです。
某大手回転寿司チェーンの厨房では包丁がないと聞いたことがあります、工事現場でもその包丁に近いものがあります。
そのおかげで工期が短くなり、それに伴って職人の拘束時間が減って人件費が抑えれて、全体のコストダウンにつながって、僕らのお財布に優しくなっているので恩恵を受けていると言えると思います。

でも、たまに、これは手道具で加工した方が早い場面や、手道具でしか加工できない場面に遭遇することがあります。
こんな時に「訓練校で教わっておいてよかったな」と思うわけです。
手道具での加工技術は今では現場で教わることはほとんどないので、職業訓練校という少し時代錯誤な場所で1年を過ごした経験が役に立つ瞬間に出くわしたら妙に嬉しく感じます。
あの1年が糧になっているという実感ですね。

あと、たまにカンナで木を削ると楽しい。