船の底の方の窓のない安い部屋を選んだので 船だしうるさくて寝れないのではと思っていたけど 全然そんなことはなくて ぐっすり８時間眠れた。揺れないし耳栓すればほぼ無音。起きてデッキまで上がると遠くにフィンランドが空と海の間に薄く見えている、ずいぶん進んだみたい。ビュッフェの朝食をのんびりと食べていると あと１時間で到着するよとアナウンスがあった。部屋に戻り荷物をまとめて上に上がるとちょうどいい時間になってた。こんなに人が乗っていたんだと思うほど大勢の人が出口に集まっている。船から降りて振り返って改めて見ると大きい船だなと思った。揺れもないし静かだし船旅はのんびりできるのでシリヤラインはおすすめできるなと思った。

船から降りてレンタカー屋までは荷物が重すぎるのと 歩けなくないけど遠かったのでタクシーで移動。レンタカー屋で手続きをして人生２回目の海外運転がスタート。慣れない左ハンドルと右側通行に戸惑いながらも前の車に続いて走って市街地を出て高速道路に乗る。始めは中央分離帯のある広い道だったけどヘルシンキから離れたら中央分離帯もなくなって110kmがすれ違うようになった。これが怖い。運転にも慣れてきてたけど右ハンドルの癖でバックミラーを見ようとすると顔を左上に上げてしまう。咄嗟の動作が右ハンドルの動きになる。そんな少しの戸惑いと緊張感を持って１時間半くらい運転して目的地のエケナスという街に到着。この街にはアアルト設計のVILLA SKEPPETという家がある。

ガイドツアーまで時間があったので街にあるリサイクルショップに行く。前回フィンランドに来た時に田舎の方のリサイクルショップに初めて行ってアラビアやイッタラなんかのアンティークが安いのに驚いた。ヘルシンキで売られているアンティーク品は状態はいいのが多いけど高い。日本に持って帰って値段をつけると いい値段になってしまう。その点田舎のリサイクルショップで買ったものは安く抑えれる。どちらがいいかはお客さん次第だけど、年代相応の古さを感じるのは悪くないと思ってるのでマジカルファニチャーでは田舎のリサイクルショップで買い付けしたい。いいものが買えたけど 当たりをつけていて後で買おうと思っていたものが店の閉店時間に間に合わず買えなかったのが心残り。土曜日は14時閉店だとは知らなかった。閉まるの早いね。

いい時間になったのでVILLA SKEPPETに移動してガイドツアーがスタートした。英語のガイドツアーは10%も理解できなかったけど絵画と家の持ち主の話が多かったように思う。話はわからなかったけど家は素晴らしい。アアルトらしいディテールのこだわりや階段の優しさ、天井の高さの違いが生む空間のメリハリのある広がり。小さいマイレア邸のようなスケール感も好きな感じ。アアルトの晩年の建築だからか濃度が濃い、アアルト自邸がバージョンアップしたような完成度を感じた。プロトタイプのパイミオチェアもあって そんなのあるなんて初めて聞いたし実物を見た。固定電話と2002年と書かれた電話帳が同じところに置かれていて生活していた時代の鮮度というか家としての役割をリアルに感じれたのも良かった。今回は日程的に郊外のアアルト設計の建築を見に行けるのは１箇所しか無理だった。パイミオサナトリウムに行くかVILLA SKEPPETに行くか悩んだけど家具の仕事に近そうな住宅の見学を選んだ。結果よかったと思う。勉強になったし帰ったら真似したい発見もあった。

見学が終わってヘルシンキまで安全運転で１時間半かけて再び移動。ガソリン満タン返しなので高速道路を降りたところで給油。ガソリンスタンドの勝手がわからないけどGoogle翻訳のカメラ機能を使いながらだと理解ができた。レンタカーの返却方法も受付カウンターはもう閉まってるから車を地下駐車場に止めたらカギはボックスに入れといて、みたいなことを言ってたような気がしてたんだけど、どこに止めるのか？キーボックスはどこなのか？までは聞き取れなかっだけど、もらった紙をGoogle翻訳のカメラを通してみると日本語に変換してくれるのでよくわかる。翻訳のセンスもよくなっていて自然な日本語で驚いた。スマホが世界を近くしたなと思った。

レンタカーを返して宿まで20分ほど歩いて移動。買い付けた物で重量の増したスーツケース２つを運ぶのは大変。宿に着いてチェックインして日本から持ってきていたサトウのご飯とカップヌードルを食べてサウナに行こうと思って外に出たら大雨だった。これは無理だなとサウナは明日に行くことにして５日目終了。

明日は日曜日なので蚤の市を覗いてからヘルシンキデザインウィークのハビターレを見に行く。今回のヘルシンキ滞在のメインの目的。
明日は晴れるかな。