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2022.07.24
出張もまた旅である
先日の高山市への出張、目的の曲げ板工場との話し合いが終わって、少し観光(といっても家具メーカー巡り)をしてから神戸に向かいました。
飛騨産業とキタニにいきました。
僕らのような超小規模の家具屋はメーカーが作れないものに需要があると考えています。
それは主にパーソナルなもので、椅子だったら高さや奥行きを変えたり、テーブルだったら変わった形の天板を作ったり、そういうオーダーが強みです。
でも常々思っているのは「日本の家具メーカーはスゲー」ってことです。
規模の大きな工場ならではの量産品の質とコストの高いバランスは相当なものだと思っています。
まぁそんな感じの、例えるなら若いジャズミュージシャンがニューヨークのジャズクラブを「レベルたけー」なんて言いながら巡るようなことが、家具屋は高山市でできるわけです。
最後に行ったキタニの工場とショールーム、この敷地内にデンマークにあるフィンユール邸のレプリカがあるので見に行きました。
本物のフィンユール邸には5年前にコペンハーゲン研修旅行の時に行っています。
そのフィンユール邸と全く同じ(厳密には新築当時のものなので改装を繰り返した本物とは少し違う)ものが高山に建っています。
本物を見ている僕は正直なところ期待せずに、一応見ておくか、くらいの気持ちで見に行きました。
ガイドに連れられて中に入ると不気味なほど全く同じで5年前の記憶が蘇りました。
そしてすぐに「ここめっちゃええやん」に評価がガラッと変わりました。
なにがいいって、触れる、椅子に座れる、ドアは開け閉めできる、これが素晴らしい。
本物を見ているので、おさらい的に見て触って確かめて、空間を体験できました。
デンマークのフィンユール邸は博物館なので入れないところ多いし、どこも触れないし、絶対に座れなかったですからね。
座ってゆっくり眺めて初めて気づくことがたくさんありました。
先に本物を見ていてレプリカでじっくり体験するという順番もよかったんだと思います。
いい家です。
帰りは大雨で、なかなか緊張する走行で疲れましたが、いつも聞いているラジオの圏内に入って馴染みの声が聞こえてきたらホッとしました。
たった1泊2日でしたが実りのある出張になりましたね。
出張もまた旅である、と誰かが言っていたような。