綺麗なナラ材
桜も散って公園は日常の光景に戻って穏やかな天気も相まってのんびりとした空気になりました。
この春の終わり頃が好きですね。
今日は昨今の木材事情を少し、いよいよ深刻になってきました。
コロナ禍になってから木材事情は激動です。
この2年で4倍の価格になった建材もあり、そこにきてロシア事情も追い打ちしています。
俗な言葉で言うと「やばい」です。
コロナになってからはウッドショックと呼ばれる事象がありました。
合板の一大産地の東南アジアがロックダウンやらで生産量を減らして、さらに中国とアメリカという大国で住宅販売の調子が良くなって日本が買い負けるということが起きて、結果少ない輸入量となった合板の価格が供給不足という希少性に釣られて上がりまくっています。
これはいまも継続中です。
合板価格が上がる、家具屋にとってこれはまだ耐えれるのですが、大問題はロシア事情です。
ご存知の通りのロシアの暴挙で世界中が対ロシアの経済制裁を進めています。
その中で「ロシア産の木材の輸入制限」もあります。
プーチンの行動は理解できないですが、それはロシアという国の政治の話であって、地球から生えている木には罪はない。
世界地図を見たらわかるように広大な国土ですよね。
飛行機でヨーロッパに行く時はロシア上空を飛んでいましたが、窓から見える景色は延々森です。
合板の一大産地が東南アジアなら、広葉樹の一大産地はロシアです。(北米も大きいですが)
で、ロシアの木って綺麗なんですよね。
マジカルファニチャーでも2年前くらいから安定しないアメリカ産のホワイトオークからロシア産のナラ材に変えて使っていました。
加工していても気持ちよくて、仕上がる家具も色味や木目など綺麗です。
値段はちょっと高いけど、ロスも少なくて時短にもなるロシア産材は重宝していました。
そのロシア産が輸入禁止ですよ、仕方ないけど。
僕らが使う「木材」は2〜4年前に「丸太」で日本に入ってきたものです。
丸太を製材して乾燥して末端加工者の僕らの手元に来るまで2年以上かかるんですね。
だから影響が強く現れるのは少し先ですが、確実にいま使っている木は使えなくなります。
困った。
状況が良くなってウッドショックもロシア事情も落ち着くことを願うことしか僕にはできませんが、いい木を使っていい家具を適正価格で作って使ってもらう日常が戻って欲しいです。
綺麗なナラ材のテーブルなんかは今のうちに買っておいた方がいいかも、とボソッと言っておきます。
なんだかなぁ、ですね。
空は綺麗なのに。