そんなドアが増えたらいいな
久しぶりにドアを作っています。
戸建て住宅の玄関扉です。
立派なホワイトオーク無垢材で作る立派なドアで、取っ手や鍵も少しいいものを選んでいます。
玄関扉は屋内扉と違って作る方にはなかなかのリスクが伴います。
木製扉は日本の気候では反りや伸縮による不具合が起きると思っていた方がいいです。
今回のドアの相談を受けた時も、なるべく気をつけて製作するけど閉まりにくいなどの不具合は起きます。
と伝えています。
不具合が出たら調整に行きます、とも伝えています。
設置場所の環境によっては断らせていただくこともある玄関扉ですが、今回の場合は「北向き」「軒が深くて直接雨や陽が当たらない」場所で、これならいけるかなと思い製作することにしました。
いまや日本の住宅のドアはアルミやらの金属製のものがほとんどですね、気候のことやリスクのことを考えると妥当なんですが、個性がなくて町の風景としては少し物足りないと僕は思います。
ヨーロッパの古い町を歩くと大きな個性的な木製ドアが現役で使われていて、いい風景を作っているなと感じます。
何度もペンキを塗り重ねられたドアには愛情を感じます。
そんなドアが増えたらいいなと思いますね。
そんな今回の木製扉の材料も立派です。
厚いオークの無垢板を数日に分けて削ります。
木は最初の人削りの時が一番動くので、削って→寝かせて→削って→寝かせて→削って、を繰り返して仕上がりの寸法に削ります。
椅子のように小さい部材や、テーブルみたいに反りを抑える構造の場合は一気に削っても支障はないのですが、ドアの場合は慎重になりますね。
金具の取り付けのための加工が玄関ドアの場合多いです。
ドアノブ、鍵が2つ、親子扉なので子ドアの方にフランス落としも。
慎重に製作を進めてようやく塗装までできました。
あとは問題なく吊り込めるか、ここが心配です。
何度ドアを作ってもここが心配です。
でも楽しみです。