コストは抑えつつ、こだわりも添える
うちは割と手広く製作しているほうだと思っています。
いまのコロナ禍でいろいろやっていてよかったと実感しています。
大変ですけどね。
マジカルファニチャーはオリジナル家具やオーダー家具を作る家具屋としての側面も、設計士や工務店から依頼を受けて作る木工所としての側面もあります。3年前からはドア製作も謳っていてドアも作っています。
たまに店舗デザインも。
それぞれが微妙に頭の使い方が違って、おもしろいです。
オリジナル家具やオーダー家具は自分の色をいかに出すか、慎重にデザインを吟味しています。
設計士や工務店から依頼を受けて作る場合は、どこにこだわりを持って図面を描いたか、ゆずれないところは?工夫して簡略化できるか?強度面は大丈夫か?など依頼主のデザインの意図を読み取って製作します。
今回作ったのは倉庫の棚。
この場合の頭の使い方は造作大工に近いかなと思います。
家具屋のこだわりで作っていたら変に高くなってしまう。
コストを抑えて、なるだけ大きな収納力を、となると既製品の棚システムを使うのがベターです。
金具も高くないし、頑丈。
使い勝手もいい。
とはいえ「安く作りました」が前面に出るのもなぁ、と思い同業者がかろうじてわかる程度のこだわりを添えました。
棚システムはドイツのエレメントシステムというのを使いました。
いかにも工業的なシルエットに、もっちりしたような白い塗装が金物好きの興味をくすぐります。
棚板は長野県産のカラマツです。
昨年のフィンランド研修で見た、いい色に変化したカラマツの床や壁を見て、カラマツの見方が変わったところでいい機会なので使いました。
コストは抑えつつ、こだわりも添える、手広くやっているウチらしい棚かなと思いました。
5年後の表情も見てみたいですね。