ブログ
ホームブログ料理人のように。 - Magical Furniture
2020.02.25

料理人のように。


1月が行って、2月が逃げようとしている月末ですが、いまはテーブルとベンチを作っています。
少し大きい以外は、ごくごく普通のデザインのテーブルとベンチです。
僕らのようなオーダー家具屋に作るテーブルといえばこんな感じのものを期待される方も多いと思います。
ピッツァリアに行ってマルゲリータを期待するのと似ています。
それほどTHEテーブルなデザインです。

そんなTHEテーブルなデザインですから量産品の安いものから、高級なヨーロッパ製の高価なものまでピンキリあります。
だから「何が違うの?」と思われて当然です。
僕は家具は料理に似ていると思っていて、家具作りを料理に例えることがよくあります。
キムタクのグランメゾン東京を見ていて、その複雑で繊細な調理に関心していて、家具にもこういう世界はあるよななんて思っていましたが、一転このTHEテーブルの場合はペペロンチーノみたいなものかなと思います。
シンプルな料理なだけに素材や少しの味付け部分で変わるとでもいいましょうか、、センスですとでもいいましょうか、、。
使うパスタやオリーブオイルで味が大きく変わる、あと塩加減ですね。
テーブルの場合は板と角の面の具合です。
よく言う「無垢のテーブル」は自然に生えている木をそのまま使ったテーブルという認識ですが、ここにも差はあります。
テーブル天板は通常、幅150cm × 奥行き80cm で作ることが多いですが、もちろんこのサイズの1枚板はありません。
かなりの巨木になりますからね、あったとしても一桁違うくらい高価でしょう。
なので数枚の板を接着して天板を作るのですが、この時の板の幅が価格の差に直結しています。
安価なテーブルは板の幅が5~8cmくらい、うちで作っているテーブルは15~20cmくらいです。
安価なテーブルは脚も数枚の板を接着して角材にしていますが、うちでは接着なしの1本ものを使っています。
あとは板の厚さとか、ヨーロッパのものだと輸送コストなどが値段に入ってきます。
安価なものでも高価なものでも、丁寧に使えば長く使えます。
要は自分がどれを選択するかです。
安い理由もわからず、高い理由もわからずに選ぶのは少しもったいないと思うので参考までに、、。
疑問や質問がある方はストレートに「なんでこの値段?違いは?」と聞いてくださいね。

それにしても材木の値段が上がりましたね。
家具で使う木は輸入材がほとんどなのでアメリカや中国の関係も家具で使う木材は直結していて影響を受けます。
中国生産の家具はしんどいんじゃないかなと思います。
僕たち小規模家具屋も柔軟に対応しないとな、10年後も今のままじゃないなと考えさせられます。
でも基本は目の前の材料に向き合ってベストを尽くすですね、料理人のように。