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2019.07.16
少年漫画の定番
長々と書いていたフィンランド研修後記の間にも家具の製作はしていました。
長さ5300mmの長いローボードです。
大きくなると材料の規格に配慮しないと、たくさん無駄な材料が製作過程で出てしまったり、材料代も高くなってしまったりします。
突き板の場合は割付も重要です。
なのでデザインを考える段階からコストを抑えて、綺麗に見えるように気をつけます。
このローボードの場合は引き戸の高さに合わせた板目の突き板を用意してもらいました。
幅が35cmの板目は普通は材料屋さんも持っていないので、上手いことしてもらいました。
この辺りが材料屋さんといい関係が築けているかどうかにかかっていますね。
長くて大きいと分割して作らないといけません。
分割の仕方にもセンスがあって、僕も日々勉強しています。
なるべく継ぎ目が隠れるようにするのがセオリーですが、どうしても見えるところにくることもあります。
以前はなるべく継ぎ目がわからないようにしていたのですが、おそらく同じ考えで施行された店舗や住宅で数年後を見たときに、やはりどうしてもずれていることが多くて、それなら継ぎ目とわかるようにしていて、ずれた時の見え方が変にならないようにした方が素直な気がしてます。
木は伸縮するものだし、たとえ合板でも膨れたり痩せたりは多少はするものです。
その動きを読み切ることは僕には難しいことですが、動いた時の姿を想像することはできます。
困難な状況が目の前にあって、それを乗り越えたときに成長する。
というのは少年漫画の定番のテンプレートですが、わかっていてもワクワクします。
いまの僕の家具製作はそういうことが続いているように思います。
今年は成長できた、と思える大晦日を迎えられたらいいなと思った下半期スタートです。