ストックホルム&ヘルシンキ研修 エピローグ
ストックホルム&ヘルシンキ研修 エピローグ
一週間の研修旅行を終えて今日から本格的に製作を再開しています。時差ボケと気温差で少々疲れてますが徐々に慣らしていこう。
改めて感想をまとめてみようと思います。
まず、なぜ行き先をストックホルムとヘルシンキにしたのかですが、アスプルンド設計の森の墓地が見たかったのがストックホルムの決め手。ヘルシンキはデザインウィークのメインイベントのハビターレを見たかったから。
コロナ禍もあって5年ぶりの海外だったので もう少し戸惑うかとか英語が出てくるかとか少し心配していたのですが意外にも5年という時間を飛び越えて先月も海外行ったくらいの感覚でストックホルムに降り立ちました。相変わらず英語のレベルは中学2年生ですが。
初めてのストックホルムの街はとにかく古い街並みが綺麗で街ぶらが楽しかった。起伏のある街と海辺の景色は見惚れるものがあります。スウェーデンは歴史のある国で昔からずっとスウェーデンです。ちなみにフィンランドはフィンランドになって110年ほど。王室の歴史も深いので街には格式がある立派な建物が多く残ってて今も使われている。第二次大戦でもドイツに侵略されなかったしフィンランドやノルウェーも領土にしていた時期もある北欧の大国です。今でも自前で戦闘機を作ったりしている軍事大国でもあります。昨年のニュースでNATOに加盟するってことが話題になりましたが、今までずっと自分の国の軍隊だけで防衛してきたんですね。あと原子力発電の先進国でもあって最終処分場は地下の深い深いところに完成して稼働しているそうです。世界中から視察に来ているって本で読みました。
この綺麗でクリーンな街が守られてきた歴史を知るとまたおもしろい。
アスプルンドの森の墓地は素晴らしくてランドスケープを含めた壮大な計画で、そのスケールの大きさと美しさに感動しました。敷地内には教会が大小5箇所あって 滞在中に3組のお葬式を見ました。不謹慎かもしれないけど そのお葬式の光景がとても美しく見えたのが驚きです。人の死と向き合う場所をデザインするという特殊な仕事だったと思うけどアスプルンドは見事に最適解を作り出したと感じた。自分の人生の終わりが見えてきた頃にまた訪れたい。
初めてのストックホルムでしたが旅行先に迷っているならおすすめできます。食事は高いけどアンティーク品は安い印象でした。お金をかけずとも街を歩いてるだけで多幸感を得られます。公園のカフェのテラス席で綺麗な街や海を見ながらのんびり過ごすのは贅沢で豊かな時間だと思う。
ヘルシンキへの移動に使ったフェリーも快適でのんびりできてよかった。日本人って旅行に行くと予定を詰め込みがちなので、こういう強制的にのんびりを強いられる環境は貴重だなと思いました。船から見えるバルト海の景色も素晴らしい。
ヘルシンキはもう5回目なので懐かしい感じがしました。2回目の海外レンタカーで100kmほど走ってアアルト設計の住宅を見に行ったのもいい思い出です。見学した住宅は日本でも実現できそうな規模で、設計の仕事をしている人にはすごくいい勉強になると思う、もちろん家具屋にも発見はたくさんあった。大規模なプロジェクトをこなしてきたアアルトが晩年に設計した小規模な仕事ということもあるからか、完成度の高い住宅設計の到達点のひとつのように思えました。アアルト設計の建築は近年どんどん整備されて見学できるところが増えているので、フィンランド通いのネタは当分つきそうにありません。
ずっと行ってみたかったハビターレも想像以上に刺激的で楽しかった。初めて東京の展示会に行った時のように見るもの全てが新鮮でした。国が違えば文化が違う、会場を彩る色使いや素材の使い方や見せ方に感心しきりでした。マッティにも会えた、マッティは今東京に似顔絵描きにきてるそうです。数年に一回くらいは見に行きたいですね。
ヘルシンキで入ったサウナも気持ちよくて、最高の旅の〆になりました。
帰りは買い付けてきたもので重さがえげつないことになったスーツケース2つとバックパックを持っての移動は辛かったですが、店頭で思い出話をしながら買い付けてきたものを見てもらえるのが楽しみです。
こうして研修旅行に行けたのは家具を購入してくれたお客さんや ひいきにしてくれる工務店や設計士のみなさんのおかげです、ありがとうございます。
またいつか行けるように仕事を頑張ります。
よろしくお願いします。