大抵のものには巻けますよ。
シーズン中に数回は訪れる寒波がやってきた今週、工場は寒かった。
気温が5度を下回るとボンドが固まらなくなるので寒波中はエアコン効かせたショールームで接着作業をしています。
工場に暖房がないので仕方ないけど、面倒です。
そんな寒波が到来する前に店舗のドアハンドルにラタンを巻く、という仕事をしました。
街から山に少し入った谷のようなところにあるお店で、抜けていく冷たい風が吹き付けて鉄のハンドルがキンキンに冷えてしまうので少しでも緩和したいとのことでした。
ラタンでも冷たいのは冷たいけど、鉄よりはいいか。
前日から水を入れたボトルにラタンを入れて現場に持ち込んで、膝をついての作業は膝が痛くなるので緩衝材を置いて作業開始、2箇所を1時間ほどで巻き終えれました。
我ながら小慣れたものだなと、作業を終えて思いました。
初めてラタンを巻いたのは6年ほど前かな、それもドアのハンドルでしたね。
ラタンを巻かれたものは見たことあるけど実際に巻いているところは見たことがなくて、巻き方がわからなかった。
大阪のラタン職人の方に聞いたり、動画を探したり、他の家具屋に教えてもらったりして、見よう見まねで巻いたのを覚えています。
巻く相手は木だったし距離も短かったので、なんとか巻けたという感じでしたね。
それから簡単そうなものはたまに巻いていたのですが、ある時に近所の鉄工所から「鉄のドアハンドルにラタンを巻いてほしい、20本」という依頼がありました。
またしばらくしたら「売れたからまた巻いてほしい、20本」と依頼を受けました。
そんな千本ノックみたいなことをしていたら巻く技術も自信も身についてきて、いまではドンとこいな気持ちです。
例えるなら中学生から始めた野球で最初はぎこちなかったけど、3年生の頃には様になっている、といった感じかな。
巻く技術が身につくと楽しいもので、いまでは巻いていて余ったラタンを巻けそうなところを探して巻いています。
天然の素材が持つ魅力で、無機質なものに添えられると雰囲気が柔らかくなるし感触も気持ちいい。
なにか巻いてほしいものがあれば相談ください。
無理なものもあるけど、大抵のものには巻けますよ。