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2021.10.12
先の尖った四角の木栓
盛夏のころにお客さんから「古い大きな鏡を購入したんだけど、その鏡を自立して移動できるようにできるか?」と相談を受けました。
「キャスターをつけると動きすぎるから、移動の頻度が多くないのであれば脚裏にフェルトを貼って滑らせた方がいいと思います。」
と提案して雰囲気も色も鏡に合わせてクラシックに製作しました。
鏡と台を繋ぐのに強いビスで固定しまして、釘隠し(ビス隠し)に先の尖った四角の木栓をしました。
これは神戸の古い洋家具によくみられる意匠で、神戸家具の特徴になっています。
もっとも本家は45度傾けてひし形になっていますが。
何かをブランディングするときに、そのブランドを象徴する意匠を統一して何かと使うというのは大切です。
ルイヴィトンのモノグラムやヨーロッパの高級車のグリルなんかはわかりやすい例です。
わかっているけど家具でこれは難しくて、マジカルファニチャーでも悩んでいて答えが出ないことです。
でも神戸の永田良介商店の釘隠しと墨ぼかしといわれる塗装は唯一無二なものになっていて、一部の人だけではあるだろうけど「永田の家具だ」と一目で認識できる特徴になっています。
デザイナーの傾向で「○○ぽいな」まではいけても、永田の家具ほどにはないように個人的には思います。
家具を作っている人はそれぞれ自分なりのデザインや特徴を試行錯誤して表現しているとは思うのですが、大抵はわかりにくい。
木工職人の間では違いや凄さはわかるけど、一般のユーザーには同じに見えていることがほとんどだと思います。
これはもちろんマジカルファニチャーでも同じことなのが歯がゆいですが、、。
まだまだ試行錯誤を続けます、いつか一目でマジファニの家具だ、と認識できるような意匠をみつけたい。