エンツォ・マーリのテーブル1123XBを製作しました、10台。
20mm × 100mm の板だけで簡単に作れる大きなテーブルなんですが、製作しているとデザイン能力の高さに感心させられます。
構造がしっかりしていて、大きなテーブルですが安定感があるし、その見える構造がこのテーブルのキャラクターにもなっていて独特の佇まいをしています。
家具屋の仕事としては脚先は床と平行に切ってピタッと接するようにするのが通常ですが、あえて脚先を斜めに切らないところも効いています。
僕はエンツォ・マーリのこのシリーズが好きです。

なにより良いな、と思うところはこれらの家具の図面（木取り標まで）と写真を本にして販売しているところ。
そして時間を超えて世界中どこでも身近な材料で簡単な道具だけでエンツォ・マーリのデザインの家具が作れるってのも素晴らしいと思います。
「デザインはなんのためにあるの？」という疑問に「問題を解決するため」と誰かが答えているのを覚えていますが、この本はまさにそうだと思います。
一部の人ではなく、みんなのためのデザイン、それを40年以上前にしていたのも先進的だと思う。

今回、初めて実際に製作してみて勉強になりました。
エンツォさん、ありがとうございます。