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2021.08.29
人のデザインしたものを作る
お盆の少し前から、お盆明けの納品を目指して製作していた『β本町橋』の家具。
僕の目算が甘くて、製作時間がギリギリになりながらも無事に納めることができました。
白メラミン天板のシンプルで綺麗なテーブルです、形は同じのがなくて様々。
僕は自分のデザイン能力は低い、と自覚しているので、いわゆる「綺麗なデザイン」「シンプルなデザイン」から逃げていて、別の土俵で勝負するしか生きる道はないと考えています。
それは偶然に委ねること、たまたま生まれるもの、にピントを合わせようとするデザインです。
野球で言ったら内角高めを打ち上げてポテンヒットにするような行為です。
僕にはスタンドまで飛ばすことはできないし、綺麗にセンター前に返すこともできない。
で、今回作ったテーブルはそんな僕が逃げている分野の家具でした。
MISTの井上さんがデザインをしてマジカルファニチャーは製作です。
技術的なこと、強度面でのこと、などをアドバイスして多少寸法調整はしましたが、印象は変えないように最終落ち着きました。
40mm角の脚に70mmの幕板が廻っていて、天板は埋め込みで1mm厚のメラミンの断面だけが見えています。
寸法のバランスが絶妙ですね。
脚があと3mm太ければ、幕板があと5mm厚ければ、印象は随分と違ったと思います。
1mmで印象が変わる、それがシンプルな家具という分野です。
今回の製作は勉強になりました。
いままで逃げていたけど、たまにはセンター前に返すことを狙って打席に立とうかなというやる気まで湧いてきました。
自分の製作もいいけど、人のデザインしたものを作るのも面白い。
また大阪に行った時に使われている風景をのぞいてみようと思います。
ありがとうございました。