金継ぎで直せるのかな
今年の6月後半に大阪で大きな地震が起きました。
神戸は大きな被害もなくて、マジカルファニチャーのお店も工場もなんともなかったです。
ディスプレイしている商品も割れることなかったのが不思議なくらいなんともなかったです。
ただ、家の方で割れてしまった器がありました。
僕は諸行無常という感じの考えが強くて、ものが壊れたり家やお店がなくなって風景が変わることも「それが時の流れってもんだよね」と言った感じで受け入れています。
だから今回の割れたコップも「これもこのコップの運命かな」と思って、捨てるために新聞紙で包んで置いていました。
割れたコップは前職の時にイベントで来てもらったオランダ人のアーティストのルスケさんの作品で、本人から直接買ったことや、当時の展示のことも思い出して、時間が経つほどに割れたことが残念に思い始めてました。
でも、ふと金継ぎで直せるのかな、と思ってパソコンで調べて相談に行きました。
かなりバラバラに割れてしまってましたが、「直せます」と言ってくれたので金継ぎ修理を依頼しました。
3ヶ月経って、修理が完了して手元に戻ってきました。
複雑に割れた破片を立体パズルのように組み上げて、銀で接着面を丁寧に補修してくれていました。
大変だっとろうと思います。
家具もそうだけど、直すのは大変です。
新しく作った方が早くて安いなんてことが、ほとんどです。
今回の金継ぎも同じコップがいくつも買えるほどの費用がかかりました。
それでも直しました。
それはコップに金額以上の付加価値が知らずについていて、直したいという気持ちの方が強くなっていたからだと思います。
自分の気持ちが入り込める余白がものにあるかどうか、ブランドや価格よりも重要なものがあるかどうか。
ものを長く大切に使うとはそういうことだと改めて思って、気が引き締まる思いでした。
またコップとして使えるようになったのが嬉しいです。