未来都市を作ろうとした
神戸の海には2つの埋め立てて作られた人工島があります。
六甲アイランドとポートアイランドです、ポートアイランドのさらに沖には神戸空港があります。
増える人口に海と山に挟まれた狭い土地しかない神戸は対応できないので、西部の山を切り開いてニュータウンを作りました。
まさに平成狸合戦ぽんぽこのような感じです。
で、山を切り開くのに崩した土を長い長い土砂運搬用のトンネルで海まで運んで作られたのが2つの島ですね。
新しく作られた広大で平坦な土地には未来都市を作ろうとしました。
綺麗に区画整備されてモノレールが走り商業施設や美術館や公園が作られました。
それが90年代の中頃、バブルが弾けて震災があった頃です。
80年代にこういった都市計画はまとめられて走っていたと思うのですが、「増え続ける人口」「山を切り開いてニュータウン」というのは時代錯誤で未来を読み間違えたと言い切れる。
でも、読み間違えても仕方がないほど社会は明るく成長していた、言ってしまえば「そういう時代」だったんだと思う。
いまは郊外のニュータウンは若い世代が少なく高齢化が顕著です、大きな学校も生徒が減って教室が余っているようです。
2つの人工島も当初は賑わっていたものの今は空きテナントが目立ち、地方のシャッター街と同じ光景があります。
そんな暗いことを書いてきましたがこの2つの人工島は少しずつなんだか悪くない感じになってきています。
子供ができたからっていのもあるんですが、よく行くようになったんですね。
六甲アイランドには小さい子供が無料で遊べる施設があるので楽しませてもらっていて、広い土地にはスポーツをする施設もあって子供がラグビーやサッカーをしたり、スケボーなんかのXスポーツができる本格的な施設もある。
島なので本土の街との行き来は不便だけど、島内で暮らす分には便利で子育てがしやすいと聞きます。
ポートアイランドには大きな大学ができたり、スパコンがあって大きな病院や医療の研究施設も世界レベルのものがある。
子供が喘息で入院した時も国内屈指の子供病院にはお世話になったし、お世話になっている子がたくさんいた。
イケアや動物園もあって島外からも人を呼べている。
どちらも当初思い描いていた街の景色ではないと思うけど、なんか独自の進化って感じで悪くないように思う。
子供といると子供としか行かないようなところに行くのがおもしろい。
親目線という視点で街を見るのも発見が多い。
神戸の街は好きだけど、神戸の都市計画は良くないと思っていたのも最近は認識も変わってきた。
これからの神戸に期待してもいいかもなと前向きに、六甲アイランドの廃墟モールを子供と歩いていて思った。